JERRYの物語は、代表・若山自身の人生を変えた、ある登山の挑戦から始まりました。
若山は、かつてヒマラヤにある標高8,163mのマナスルを登頂。その極限の状況の中で、何度も命を救ってくれたネパールの人々のあたたかさに深く心を動かされました。
そして翌年、挑戦したエベレスト登山では、チベット側で大きな地震に遭遇。カトマンズに戻ってきたとき、目の前に広がっていたのは、それまでとはまったく違う光景でした。
多くのレンガ作りの家々は崩れ落ち、街中が停電に包まれ、人々は水も電気もない中でキャンプ生活を余儀なくされていました。
その変わり果てた景色の中で、改めて命の尊さ、そして人とのつながりの深さを痛感する出来事となりました。
“貧しい国”とされることの多いネパールで、現地の人々が収入を得ることで、自らの人生により多くの選択肢を持てるように――。
その想いを形にするべく、2015年、標高約2,000mのネパール・カカニ村で、日本品種のいちごを育てる農園〈HIMEBERRY(ヒメベリー)〉をスタートしました。
現在では、HIMEBERRYは2,000人以上のネパールの人々の雇用や収入向上に関わるまでに成長し、地域に根ざした持続可能な事業として広がり続けています。
次に始めたのが、ヒマラヤチーズ「JERRY」
ネパールの友人が勧めてくれたのが、「犬用ヒマラヤチーズ」でした。
ヤクや牛のミルクを使って手作りされるこのチーズは、ネパールではすでに大きな輸出産業のひとつ。高地で暮らす酪農家たちにとって貴重な現金収入となっており、日本でもまだまだ知られていないこのチーズを届けることは、現地にも日本の飼い主さんたちにも喜ばれると確信しました。
そこから、現地で一からいくつもの工場を自ら巡り、衛生管理や品質管理が徹底されたパートナー工場との取引を開始。
若山自身も工場に入り、女性たちと一緒にチーズ作りを体験しながら、生産現場を丁寧に確認してきました。そうした取り組みの中で、ただ商品を仕入れるのではなく、「確かな品質と背景のあるもの」を届けるというJERRYの理念が生まれていきました。
このチーズによって、ネパール各地で多くの人たちに新たな仕事が生まれ、特に農村部の方々にとっては安定した収入の糧となっています。
「JERRY」という名前は、若山の友人の愛犬に由来します。
JERRYは、柴犬・ビーグル・台湾の山犬のミックスで、元保護犬。友人の家を訪れるたびに「遊んで!遊んで!」と猛アピール。洋服を噛んでくるほど元気いっぱいで、思わず笑ってしまうようなわんぱく犬です。
ただ、その勢いは時に少し“怖い”くらい。笑 友人との会話に集中できないほどの存在感!
そんなJERRYにネパールのお土産としてヒマラヤチーズを渡したところ、あんなにやんちゃだったのが嘘のように、おとなしくなり夢中でカミカミ。
その姿がとにかく可愛くて愛らしく、「このおやつ、JERRYって名前にしよう!」と決めました。
JERRYのロゴは、そんなわんぱくな犬がチーズをかじって、ちょっとイタズラっぽいけれど満足そうにしている、あの表情をモチーフにデザインしました。
どこかユーモラスで、でも信頼できる――そんなブランドに育てていきたいと考えています。
ヒマラヤの大地と、日本とネパールをつなぐ1本のチーズ。
それがJERRYです。
たくさんの犬たちに、そして飼い主さんに、笑顔と物語を届けられますように。